シリコン部会(部会長:山口 徹 (株)SUMCO 社長室 経営企画部 担当部長 写真上)は、
2月23日に記者会見を開催し、平成27年の高純度シリコンの生産、販売、輸出等実績と
平成28年の見通しを説明しました。
概要は次の通りです。
1.2015年の実績
当部会集計の国内高純度シリコン統計によれば、2015年の多結晶国内生産は、
一昨年に発生した加盟一社の事故による影響がなくなり、前年比22%増と回復し8,855トンとなった。
一方、単結晶国内生産は、半導体市場の数量増加に伴うシリコンウエーハ市場の成長により、
昨年に引き続き拡大した。
加盟会社の過去の国内能力縮小により史上最高には及ばななかったものの、
300mmの伸長により、前年比1%増の8,114トンとなった。
国内単結晶の販売についても、前年比3%増の8,760トンとなった。
うち、内需は前年比11%増の4,317トン、
輸出は年後半の海外半導体メーカーの調整が響き、
前年比3%減の4,443トンとなり、輸出比率は前年の54%から51%に低下した。
2.2016年の見通し
当部会は、2016年のウエーハ需要について、WSTSや各種予測も踏まえ、
半導体メーカーの生産能力増強と2Xnm以細の先端品需要の拡大や環境・省エネ需要の伸長などにより、
昨年後半の調整から今年前半に回復し、
300mmは需要増加、200mmは車載・産業向けに底堅い需要が続き、
150mmは需要減に歯止めがかかると予想する。
多結晶需要については、シリコンウエーハの生産拡大に伴い堅調に伸長するが、
依然として生産調整は続いている。
今後は、半導体向け需要の伸長、ならびに、太陽電池向けの継続的市場拡大により、
能力余剰は徐々に解消されていくものと予測する。
2016年の国内単結晶生産は、
300mmを中心に拡大し各社とも早期に高稼働になると想定し、
前年比4%増の8,440トンを見込む。
単結晶販売については、内需が前年比2%増の4,400トン、
輸出は前年比6%増の4,710トン、合計では前年比4%増の9,110トンを見込む。
その結果、輸出比率は昨年を上回る52%になると予想する。
3今後のシリコン業界の課題
① シリコン需要構造変化や高精度要求への対応
1) 最先端デバイスの微細化要求品質への対応
2) 不断のコスト低減
② 世界的に割高な電力料金への対応と電力安定供給の確保
③ 継続的成長を実現する安定的収益確保
半導体産業の中長期的な発展のため、各社それぞれの経営課題としての対応はもとより、
原材料メーカーや半導体メーカーとの関係強化により課題解決に努めて参る所存であり、
半導体産業ひいては我国ハイテク産業全般に対して、
必要不可欠な材料を担う当シリコン業界の健全な発展のために、
引き続きご支援を賜りたくお願い申し上げ次第であります。
平成27年実績と平成28年予想表を掲載します。
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