シリコン部会(部会長:山口 徹 (株)SUMCO社長室 経営企画部 担当部長)は、
7月12日に夏季記者会見を開催、2016年度(各社の決算期毎の年度)の
売上高、営業利益等シリコン部会加盟会社の決算状況を報告するとともに、
2017年直近の需給状況について報告しました。
シリコン部会からは協会も含めて10名、報道機関からは8名、アナリストが5名、合計23名での
記者会見になりました。
報告概要は次の通りです。また、公表した統計表を掲載します。
1)当部会加盟社の2016年度各社決算期ベースの売上高合計は、前年比で3%減の7,056億円となった。
4年連続の売上増とはならなかったが、加盟1社が2016年12月に買収された影響で
10-11月のデータが欠如している影響が含まれている。
2)設備投資は、各社とも先端半導体の増加に応じた高精度化への対応投資は継続しているものの、
大規模増産投資は実施しておらず、
2016年度は前年比でほぼ横ばいの、売上高比7.1%の503億円となった。
研究開発費は、最先端半導体の微細化進展に対応する高精度ウエーハや
省電力デバイス向けウエーハ等の開発を継続しており、
2016年度は234億円となり、2011年以降の平均並みで大きな変動はない。
3)営業利益は、リーマンショック後の落込みから徐々に回復傾向にあり、
2016年度は前年とほぼ同じ売上高比9.9%の700億円となった。
しかしながら、2006年~2008年の売上高比で
20%を超えていた高水準時に比べると低位の状態のままである。
4)当部会は、2017年のウエーハ需要について、内外半導体メーカーの生産能力増強、
20nm台を切る先端品需要の伸長や環境・省エネ向け需要の増加などにより、
300mm需要は生産能力の制約はあるものの緩やかに拡大し、
200mm以下は車載向けや産業・民生向けIoT、
省エネ向け需要などの底堅い需要が続くとした年初の予測通りに概ね進行していると考えている。
<今後のシリコン業界の課題>
① 需要構造変化と品質高度化への対応
1) 最先端デバイスの高精度要求への対応
2) 生産性向上と不断のコスト低減
② 世界的に割高な電力料金への対応
③ 継続的成長を実現する安定的収益確保