一般社団法人新金属協会

シリコン部会記者会見開催

シリコン部会(部会長:山口 徹 (株)SUMCO経営企画部 担当部長)は、
3月6日に冬季記者会見を開催しました。
2017年の生産、販売等実績と2018年の同見通しを公表し、概略次の通り説明しました。

300mm販売は前年比8%増となり通年で過去最高を更新し、
200mm販売は長期的な減少傾向から増加に転じ前年比18%増と伸長し、
150mm販売も減少傾向に歯止めが掛かり前年比13%増と増加した。

2017年の多結晶国内生産は、シリコンウエーハ市場の拡大に伴い伸長し、
前年比10%増の10,748トンと5年ぶりの10,000トン越えとなった。
単結晶国内生産は、旺盛な半導体需要に支えられ4年連続の増加となった。

過去に国内200mm以下の能力縮小があったが、300mmを中心に各口径とも伸長し、
前年比9%増の9,199トンと過去最高を更新した。

国内単結晶の販売についても、前年比9%増の9,985トンと過去最高となった。
国内向けは僅かに減少したが、海外向けが前年比18%増の5,731トンと大幅増となり、
輸出比率は前年の53%から57%に拡大した。

当部会は、2018年のウエーハ需要について、WSTSや各種予測も踏まえ、
半導体メーカーの能力増強とロジックやDRAMなどの1Xnm世代以降の先端品需要の拡大、
環境・省エネルギー需要の伸長などにより、昨年来の好調が継続し、
300mmの強い需要と200mm以下についても好調な需要が続くものと予想する。

多結晶需要については、依然としてフル操業には至らないものの、
今後は、半導体向けシリコンウエーハの生産拡大に伴い、能力余剰は徐々に解消されていくものと予測する。

2018年の単結晶国内生産は、300mm・200mmを中心に需給タイトな状況が継続すると予想し、
各社の生産努力を踏まえ前年比2%増の9,380トンを見込む。

国内単結晶販売は、年後半の季節的変動が懸念されるものの、
堅調な需要が継続すると予想し、前年比2%増の10,190トンと初の10,000トン超えを見込む。
輸出比率に関しては昨年並みの57%程度になると予想する。

安全面においても、安全操業確保の諸施策を検討し、
新金属協会「災害防止対策安全委員会」で策定した行動計画を
協会会員会社にも順次展開し、安全管理体制の強化に継続的に取り組んでいる。

シリコン部会加盟各社は、需要構造変化への対応と共に、
最先端半導体の品質要求を満たす高精度ウエーハの開発と安定供給を図り、
生産性向上と合理化による不断のコスト低減活動を推進しており、
環境・省エネルギー指向の拡大に伴うパワー半導体向けの需要増へも対応していく所存です。
また、シリコン部会は、一昨年新金属協会内に発足した「半導体サプライチェーン材料規格研究会」と連携し、
パワー半導体向け材料の標準化活動なども推進している。

<今後のシリコン業界の課題>
①需要構造変化と品質高度化への対応
  1)最先端デバイスの高精度要求への対応
  2)生産性向上と不断のコスト低減
②世界的に割高な国内電力料金への対応
③継続的成長を実現する安定的収益確保
④供給安定化への対応

生産・販売等17年実績18年予想表