タンタル部会(部会長:野口 佳和 グローバルアドバンストメタルジャパン(株)研究開発本部長)は、
2017年タンタル需要実績を集計し、公表しました。
タンタル業界の概況は概略次の通りです。
タンタル国内需要について、最大の消費先であるコンデンサ向けは対前年同期比で増加していると推定される。
年間では、2016年実績の16.2億個に対し2017年実績は18.1億個、+12.0%となっており、
2013年以降一貫して減少し続けていた国内生産がようやく増加に転じたことになる。
タンタルコンデンサメーカーの生産の国際的な分業体制は引き続き継続している様子であり、
国内コンデンサ生産統計数量とタンタル材消費数量は、
必ずしもリンクするものではないことは、留意しておく必要がある。
化合物については、ここ数年、拡大を続けて来たSAWフィルタの需要が、
中国スマホの販売減少の影響などで、在庫調整の局面を迎えた。
これによりタンタル酸リチウム単結晶用の高純度酸化タンタルも大規模な需給調整が行われ、
需要は大きく減少した。
光学レンズ向けの酸化タンタルの需要は引き続き低位であり、
回復の兆しは見られない。
また、日本機械工具工業会の統計によると
超硬工具向け炭化タンタルの消費量は2016年比で微増であったと見られる。
半導体向けタンタル薄膜材料向け需要について、2017年は半導体の世界的な伸びに支えられ、
大きく伸張したものと推定される。
スーパーアロイ等の合金向けも、最終顧客の好調な需要に支えられ、
需要は回復傾向に向かうものと思われる。