シリコン部会(部会長:山口 徹:株式会社SUMCO 社長室 企画経営部)は、7月9日に学士会館で記者会見を開催しました。
2018年の売上高、設備投資、営業利益等の実績(別紙)の報告、並びに2019年の状況等につき、次のとおり説明しました。
【シリコンメーカーの2018年決算(連結ベース)】
当部会加盟社の2018年各社決算期ベースの売上高合計は、旺盛なシリコンウエーハ需要に支えられ、前年比21%増の10,699億円となった。2年連続の20%台の成長で、10年ぶりに1兆円の大台を超えるレベルに回復した。
設備投資は、先端半導体の拡大に応じた高精度化対応や生産性向上および能力拡張等の投資により、前年比約2倍、売上高比16%の1,668億円となり、10年ぶりに
1,000億円の大台を超えた。
研究開発費は、最先端半導体の微細化進展に対応する高精度ウエーハや環境・省エネルギー用のパワーデバイス向けウエーハ等の開発の継続により、2018年も前年並みの
239億円となった。2011年以降は大きな変動も無く推移している。
営業利益は、2016年半ばから続く需給逼迫の状況を反映し、前年比77%増の
3,327億円と、過去最高益であった2007年の約4,200億円に次ぐ水準に回復し、利益率も30%を超えるに至った。
【2019年の状況・見通し】
当部会は、2019年のウエーハ需要について、年間では緩やかに成長すると見込み、国内単結晶生産および国内単結晶販売ともに前年比3%増と予想した。
1-5月累計の国内単結晶生産と販売実績は、ともにほぼ前年並みで推移している。
また、足許の300mmは堅調なことから、年後半のシリコンウエーハ需要回復を見込み、生産・販売ともに年初予測の前年比3%増になることを期待している。
但し、不透明なメモリー市場やマクロ経済による低下の懸念はある。
多結晶については、半導体向けシリコンウエーハの生産拡大に伴い、需要は増加する見込みである。
【今後の取組み】
シリコン業界を取り巻く事業環境は、需要面や技術面で日々変化し続けている。
シリコン部会加盟各社は、品質高度化と需要構造変化へ対応するため、最先端半導体の品質要求を満たす高精度ウエーハの開発を継続し、環境・省エネルギー指向の拡大に伴うパワー半導体向けの需要増への対応を図るとともに、生産性向上と合理化による不断のコスト低減活動を推進しながら供給の安定を図る所存である。
さらに、シリコン部会は、新金属協会「災害防止対策安全委員会」を通じた安全管理体制の強化活動や「半導体サプライチェーン材料規格研究会」と連携したパワー半導体向け材料の標準化活動なども継続的に推進していく。
【今後のシリコン業界の課題】
①品質高度化と需要構造変化への対応
1)最先端デバイスの高精度要求への対応
2)環境・省エネルギー用パワー半導体への対応
3)生産性向上と不断のコスト低減
②供給安定化への対応
③世界的に割高な国内電力料金への対応