タンタル部会(部会長: 荻子 貴康 三井金属鉱業(株) 機能性粉体事業部 営業部 担当部長)は、2022年タンタル需要実績を集計し、公表しました。
2022年のタンタル国内需要について、2021年のタンタルコンデンサ国内生産は13.3億個であり、うち下半期は6.4億個であった。2022年下半期は5.3億個であり前年同期比▲17%となり減少した。タンタル材の消費量についてもタンタルコンデンサ国内生産減に伴い減少したものと推定される。COVID-19の感染拡大により2021年はICT関連需要が大幅増となっていたが、本年はその特需が一服したものと推定される。
化合物については、スマートフォン市場の減速を受け低調に推移したものとみられる。2021年は比較的好調に推移したと見られる。しかし2022年の特に下半期以降は、世界的な政情不安やインフレによる消費者支出の抑制、スマートフォンの買い替えサイクルの伸長などの影響を受けた。
それにともない、SAWフィルタ向け高純度酸化タンタルの需要は大きく減速したと推定される。また光学レンズ向けなどは、依然として需要は弱い状況が続いていると見られる。一方、主に超硬工具などに使用される炭化タンタルについては、景気減速や資材不足の影響を受けた自動車産業の減速を受け、低調に推移したと見られる。