一般社団法人新金属協会

タンタル部会2023年需要実績を公表

タンタル部会(部会長: 野口佳和 グローバルアドバンストメタルジャパン(株)名誉顧問)は、2023年タンタル需要実績を集計し、公表しました。

コンデンサ向けについて、2023年のタンタルコンデンサ国内生産は7.2億個であり前年の11.2億個に対して▲36%であった。2023年上半期は4.1億個、下半期は3.1億個で、上半期は前年同期の6.0億個に対し▲32%、下半期は前年同期の5.2億個に対し▲40%となった。コンデンサ用タンタル粉やタンタルワイヤの消費量についてもタンタルコンデンサ国内生産減に伴い減少したものと推定される。

化合物については、2022年後半からのスマートフォン市場の減速が継続しており低調に推移したものとみられる。世界的な政情不安やインフレによる消費者支出の抑制、スマートフォンの買い替えサイクルの伸長などの影響を受け、SAWフィルタ向け高純度酸化タンタルの需要は大きく減速したと推定される。また光学レンズ向けなどは、依然として需要は弱い状況が続いていると見られる。一方、主に超硬工具などに使用される炭化タンタルについては、自動車生産が回復基調であるものの、サプライチェーンがもつ在庫の調整が長引く形で低調に推移したと見られる。

2023年タンタル需要統計