1.2024年1-6月の状況と見通し 〔半導体市場〕 半導体市場は生成AI関連の需要が旺盛であり、高い成長が見込まれる。2024年春季WSTS市場予測によれば、2024年の半導体市場は、前年比+16%の6,112億ドル、2025年も+12%の成長を予想している。また、今年1-6月の半導体出荷金額累計...
1.2024年1-6月の状況と見通し
〔半導体市場〕
半導体市場は生成AI関連の需要が旺盛であり、高い成長が見込まれる。2024年春季WSTS市場予測によれば、2024年の半導体市場は、前年比+16%の6,112億ドル、2025年も+12%の成長を予想している。また、今年1-6月の半導体出荷金額累計では堅調な需要の継続により前年同期比18%増となっている。
〔半導体用シリコンウエーハと多結晶シリコン市場〕
SEMI統計による世界シリコンウエーハ市場は、2020年以降継続した伸長が2022年をピークに一転減少し、今年1-6月のシリコン出荷面積累計は前年同期比11%減の59億平方インチに留まった。
当部会集計の国内単結晶生産・販売数量の1-6月累計実績は、生産が前年同期比10%減、販売が前年同期比13%減と低調に推移した。しかし、マイナス幅は小さくなる傾向を示しており、年後半には前年実績に近づくと想定している。今後300mmを中心に更なる需要回復を期待し、生産・販売共に前年比数%減を見込む。また、多結晶需要についても、半導体向けシリコンウエーハ需要に応じた生産量となる見込みである。
2.シリコン業界の課題
シリコン業界を取り巻く事業環境は、米中対立、台湾有事等の地政学的リスクによる半導体自国誘致の動き、EVを代表とする中国産業の躍進・供給過多、中国シリコンメーカーの台頭、極限までの半導体微細化進展および3次元積層化技術展開など、様々な需要構造変化が続いており、更には世界的なインフレによる原材料高、国内固有の懸念事項として、世界的に割高な電力料金の問題もある。
シリコン部会加盟各社は、需要構造変化への対応と共に、最先端半導体の高精度要求を満たす品質高度化、生産性向上と合理化による不断のコスト低減に取り組んでおり、環境負荷軽減に向けたパワー半導体需要にも対応していく所存である。
また、新金属協会の「半導体サプライチェーン材料規格研究会」と連携し、パワー半導体や高性能SOCデバイス向け材料であるシリコン・エピタキシャル結晶層の抵抗率測定法の標準化活動を経済産業省の支援も受けて推進し、前年度に新金属協会規格を完成した。今後、半導体業界のデファクトスタンダードであるSEMI規格化を目指している。
〔今後のシリコン業界の課題〕
(1)需要構造変化と品質高度化への対応
①最先端デバイスの高精度要求への対応
②環境・省エネルギー用パワー半導体への対応
③生産性向上と不断のコスト低減
(2)世界的に割高な国内電力料金への対応
(3)拡大する半導体市場への安定供給
(4)シリコン産業における人材確保
(5)顕在化する地政学的リスクに対応したサプライチェーンの多岐化・安定化
・シリコン部会では、業界共通課題の検討、関係官庁・団体等の動向に対する意見交換を行いました。 ・平成28年11月、経済産業省金属課及び情報通信機器課とシリコン各社トップの懇談会を開催しました。また、シリコン懇談会における話題等に関して、経済産業省金属課と意見交換をするとともに、必要に応じて課題解決に...
・シリコン部会では、業界共通課題の検討、関係官庁・団体等の動向に対する意見交換を行いました。
・平成28年11月、経済産業省金属課及び情報通信機器課とシリコン各社トップの懇談会を開催しました。また、シリコン懇談会における話題等に関して、経済産業省金属課と意見交換をするとともに、必要に応じて課題解決に取り組むこととしました。
・経済産業省の金属素材競争力強化プランの具体化に向けて、同省金属課が策定した「シリコン業界の産業戦略」について、特にシリコン産業の将来展望等に関し意見交換するなど、必要なフォローアップを行いました。
・再生可能エネルギー買い取り制度における賦課金減免制度の見直し議論に関して、資源エネルギー庁の説明会に出席して意見交換するとともに、経済産業省金属課からの各種調査要請に対応しました。
・非鉄金属7団体が共同で運営する学生リクルート向けホームページの維持、管理を行いました。
・年2回の新聞記者会見を開催しました。平成28年7月は、売上高、設備投資額等について、平成29年3月には生産量、販売量等を報告し、シリコン業界の現況を説明しました。また、記者会見開催時に経済産業省金属課と情報交換会を開催し、経済産業行政、業界動向について意見交換しました。
・シリコン技術委員会では、シリコン業界共通の技術課題の検討や技術動向に関する意見交換を行うとともに、(一社)電子情報技術産業協会(JEITA)やSEMIの会議に参加した委員と情報を共有しました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に当たり、多結晶シリコンメーカーが主体となりフォローアップ調査を継続しました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。