


1.磁石 2025年1月から3月頃までは、旧正月の関係と需要回復の期待感から、Di Nd Tb Dy の価格は上げ傾向となったが、4月に入り一時的に中国内外のDi供給過多となり、Nd含め値を下げた。5月以降再び市況は持直し、6月には3月水準まで価格が回復した。 一方、中国では米国輸入関税引上げを受け...
1.磁石
2025年1月から3月頃までは、旧正月の関係と需要回復の期待感から、Di Nd Tb Dy の価格は上げ傾向となったが、4月に入り一時的に中国内外のDi供給過多となり、Nd含め値を下げた。5月以降再び市況は持直し、6月には3月水準まで価格が回復した。
一方、中国では米国輸入関税引上げを受け、4月4日に一部の中・重希土類関連7品目に対する輸出管理の実施を公告した。その関係でTbは高騰し、Dyは実需が弱いことから、多少の値上げに留まった。
酸化Ndは、年初USD 56.63/kgから始まり、6月の平均価格はUSD 63.23/kgまで上昇(対年初+11.7%)した。酸化Tbは、年初USD806.48/kgから6月にはUSD1,092.88/kgまで高騰(対年初+35.5%)した。酸化Dyは、実需と市場在庫の影響で、年初USD 224.61/kgからUSD 246.13/ kgまで上昇(対年初+9.61%)した。
2025年中国の磁石材であるNdFeBの需要は、年率8~10%程度増加しているが、原料であるDiが比較的供給過多傾向から、中国輸出規制の中重稀土以外のレアアース元素は多少の上昇に留まった。
中国における米国とミャンマーからのレアアース鉱石輸入量は、減少傾向である。これは米国における酸化物消費量の増加と、ミャンマーの雨季による出荷量減少が要因である。
1~6月に中国が米国から輸入した希土類金属鉱石の希土類酸化物(REO)は、前年同時期の15,315mから10,263mtまで減少(前年対比▲33%)した。また、ミャンマーから中国へのレアアース鉱石の輸出量は、前年23,392mt(REO)から16,726mtへ減少(前年対比▲28.5%)した。
2.蛍光体
2025年1~6月の蛍光ランプ国内出荷個数は、前年同期比で約5%減であった。LEDランプへの代替が進み、蛍光ランプ市場は縮小傾向が続いている。また、国際条約により一般照明用蛍光ランプは2027年末までに製造終了することが決まっている。
2025年1~6月の薄型テレビ国内出荷台数は、前年同期比でほぼ横這いあった。多様な映像技術による大画面化が進む一方で、個人がスマホ等で動画を視聴するスタイルのいわゆる「テレビ離れ」現象も見られる。
照明やディスプレイ用LEDにはレアアース系蛍光体も用いられるが、使用量は極めて少ない。
この分野のレアアース需要は減少した。
3.セラミックコンデンサ
2025年1~6月のセラミックコンデンサの国内生産は、前年同期比2%減の5,112億個となった。
エレクトロニクス市場は、買い替え需要や新規モデルの立ち上がり等によりICT関連需要は堅調に推移した。
スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコン等の需要は堅調に推移した。
カーエレクトロニクス向けは自動車向け受動部品、センサ関連は低迷となった。自動車における使用部品数も増加しており、生産台数は増加しある程度堅調に推移した。
欧州での製造業の低迷、中国の不動産不況等で需要は低いながら、金融政策による内需拡大が下支えとなっている。半導体向けやエレクトロニクス市場も低調ながらも高い需要が継続されていると思われる。
しかしながら、セラミックコンデンサでは脱レアアース及び小型化、生産者の海外現地生産等によりレアアースの使用量は低位安定した状況で大きな変化はない。
4.排ガス触媒
2025年1~6月の世界の自動車販売台数は、堅調に推移し前年同期から微増となった。国内においては前年の自動車メーカーの供給問題の反動から、国内自動車生産台数は前年同期比で7%増、販売台数は約10%増となった。
2025年1~6月の国内の自動車排気ガス浄化用触媒生産量は4,228トンと、前年同期の4,519トンから6%減少し、販売量についても前年同期比で6%減となった。販売金額は前年同期比で2%と減じた。前年から増加した国内自動車生産台数との乖離については、触媒メーカーの生産が一部、国内から海外にシフトしている影響であると思われる。
5.研磨材
液晶用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板などに使用されるセリウム系研摩材の2025年上半期の需要は、回復の兆しはあるものの低調に推移した。
液晶用ガラス基板は、2024年から大きな変化はなく、需要は低調に推移したと見られる。
一方、ハードディスク用ガラス基板は、2024年下半期同様、AIサーバーなどの需要が堅調に伸びている様子であり、それに伴い需要も堅調に推移したと見られる。
・中国から提案された希土類原料・製品各種のISO標準作成について、経済産業省国際標準課、金属課等関係課と意見交換するとともに、国内対応のために新設した研究会・委員会に部会全社が参加するなど対応を行いました。 ・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に...
・中国から提案された希土類原料・製品各種のISO標準作成について、経済産業省国際標準課、金属課等関係課と意見交換するとともに、国内対応のために新設した研究会・委員会に部会全社が参加するなど対応を行いました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に協力しました。
・日本の希土類需要推移を集計し、公表するとともに、製品ごとの需要状況等について経済産業省金属課及び資源エネルギー庁鉱物資源課と情報・意見交換会を開催しました。
・中国が特恵関税対象国から卒業するに当たり、一部の加工用原材料品が課税対象品となることから、輸入関税非課税品の対象となるように折衝を開始しました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。