

1.部会加盟シリコンウエーハメーカー2025年度連結決算 売上高合計は1兆2,909億円で前年比2%増となった。8年間連続して1兆円を超えたもののAI関連で急激に成長した世界半導体市場と比較すると、ウエーハ市場は緩やかな成長に留まった。営業利益は前...
1.部会加盟シリコンウエーハメーカー2025年度連結決算
売上高合計は1兆2,909億円で前年比2%増となった。8年間連続して1兆円を超えたもののAI関連で急激に成長した世界半導体市場と比較すると、ウエーハ市場は緩やかな成長に留まった。営業利益は前年比23%減の2,383億円、利益率は18%であった。
設備投資額は前年比52%減の2,060億円となった。研究開発費は微細化・三次元構造化が進展する先端半導体に対応する高精度ウエーハ、環境・省エネルギー対応のパワーデバイス向けウエーハ等の開発が継続しており、前年比9%増の349億円であった。
2.2026年の状況と見通し
〔半導体市場〕
2026年の世界半導体市場はAI・データセンター投資関連が牽引役となり、特にメモリー製品で高い成長が見込まれる。上記牽引役に付随してパワー半導体などの需要回復も見込まれるものの、半導体用途別の二極化は依然続くものと推測する。
2026年春季WSTS予測によれば、2026年の半導体市場は前年比90%増の1兆5,112億ドルにまで成長し、2027年には前年比27%増の1兆9,137億ドルにまで伸長するものと予想されている。
〔半導体用シリコンウエーハと多結晶シリコン市場〕
SEMI統計によると、2026年1-6月の世界シリコン出荷面積累計は前年同期比10%増の68億平方インチとなった。
当部会集計の国内単結晶生産量・販売量の1-6月累計実績は、生産量が前年同期比6%増、販売量も前年同期比6%増となった。今後も300mmを中心に更なる需要回復を期待しつつも、世界情勢の不透明感を考慮して今春の予測を踏襲し、シリコンウエーハ市場は緩やかな成長を予想する。多結晶需要についても、半導体向けシリコンウエーハ需要に応じた生産量となる見込みである。
3.シリコン業界の課題
シリコン業界を取り巻く事業環境は中東情勢緊迫化による原油由来材料供給懸念や価格上昇、米中対立、台湾有事等の地政学的リスクによる半導体自国誘致の動き、ハイパースケーラーによるAIでの覇権争い、極限までの半導体微細化進展および3次元積層化技術展開など、様々な需要構造変化が続いており、更には世界的なインフレによる原材料高、国内固有の懸念事項として、世界的に割高な電力料金や燃料費の問題もある。
シリコン部会加盟各社はこれらの変化へ対応するために、最先端半導体対応の為の品質の更なる向上や生産性向上及び合理化による不断のコスト低減に取り組んでおり、更には環境負荷軽減に向けたパワー半導体需要にも積極的に対応していく所存である。
〔今後のシリコン業界の課題〕
(1)需要構造変化と品質高度化への対応
①最先端デバイスの高精度要求への対応
②環境・省エネルギー用パワー半導体への対応
③生産性向上と不断のコスト低減
(2)世界的に割高な国内電力料金や燃料費への対応
(3)拡大する半導体市場への安定供給
(4)顕在化する地政学的リスクに対応したサプライチェーンの多岐化・安定化
・シリコン部会では、業界共通課題の検討、関係官庁・団体等の動向に対する意見交換を行いました。 ・2025年11月、経済産業省金属課及び情報産業課、貿易経済安全保障局技術調査室とシリコン部会員各社トップの懇談会を開催しました。 ・2025年11月の記者会見は、ウェブ形式で開催し、売上高等について説明するととも...
・シリコン部会では、業界共通課題の検討、関係官庁・団体等の動向に対する意見交換を行いました。
・2025年11月、経済産業省金属課及び情報産業課、貿易経済安全保障局技術調査室とシリコン部会員各社トップの懇談会を開催しました。
・2025年11月の記者会見は、ウェブ形式で開催し、売上高等について説明するとともに、2026年3月に、記者、アナリストに対し、生産量、販売量等の報告とシリコン業界の現況について発表を行いました。記者会見と発表の内容は協会ホームページで公開しました。
・2025年11月に経済産業省金属課及び情報産業課と情報交換会を開催し、産業政策、業界動向について意見交換しました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するため議論を行い、発信内容を検討しました。
・学会等からの講演依頼等へ積極的に対応しました。
| 1969: | 日立のPower Trを使ったカラーテレビが爆発的に売れる |
| 1971: | ニクソンショックの影響で為替・輸出環境が大きく変化 |
| 1972: | この頃、電卓がブームに |
| 1973: | オイルショック |
| 1974: | オイルショックの影響で半導体需要も調整局面(~1975) |
| 1976: | 日立16K生産開始 |
| 1979: | 64K量産 |
| 1980: | NEC64K量産化 |
| 1981: | 64K一斉量産化 |
| 1988: | 1M DRAMで東芝が圧勝 |
| 1994: | 世界的にシリコンサミットが開催され、次世代ウエハーを300mmに決定 |
| 2007: | 三菱マテリアル、三菱マテリアルポリシリコンを吸収合併 |
| 2007: | 初代Iphone発売 |
| 2008: | リーマンショック |
| 2010: | Renesas Electronics発足、日本のSoC・MCU再編が一層進む |
| 2011: | 東日本大震災で日本の材料・部材供給の重要性が世界的に再認識される |
| 2012: | Elpidaが経営破綻、日本のメモリ産業の後退が鮮明化、DRAMは韓国・米国勢へ |
| 2015: | 「中国製造2025」発表、中国が高付加価値製造業の育成強化を開始 |
| 2015- | AI向け計算需要が立ち上がりNVIDIAなどAIチップ関連企業が注目され始める |
| 2017- | 数nm世代、EUV導入準備が進み先端投資への集中加速 |
| 2018: | 中国企業WingtechによるNexperia買収 |
| 2018- | 米中摩擦やHuawei問題を機に半導体が経済安全保障・輸出管理の対象へ |
| 2021- | 世界各国で産業政策の転換、補助金・税制優遇で国内生産回帰と供給網再構築が加速 |
| 2022: | 日本でRapidus設立 |
| 2023- | TSMC熊本(JASM)を軸に成熟ノードの国内供給力強化と材料・装置・自動車との連携再構築摸索 |
| 2025: | 生成AIが半導体需要を牽引。後工程の重要性が一層高まる |
| 2025: | 世界各国の補助金政策と輸出規制の常態化、半導体は戦略物資 |
| 2025: | AIデータセンター向け需要がロジック・メモリ双方を押し上げる |
| 2025: | 主要DRAMメーカーのHBMへの生産配分シフトにより世界的に汎用DRAM不足へ |
| 2025: | Nexperia問題を代表とする世界的な自国主義化・友好国との協調化の一層の加速 |
| 2026: | アメリカのイラン侵攻、石油由来製品、ヘリウム等の供給不安 |
| 2026: | AIデータセンター、電力制約、省電力半導体、パワー半導体、先端パッケージへの需要が継続拡大 |
| 1983〜 | 84:シリコン多結晶が逼迫各社ウエハー増産 |
| 1994: | 世界的にシリコンサミットが開催され、次世代ウエハーを300mmに決定 |
| 1997〜 | 98:多結晶逼迫 |
| 2005- | :90nm~65nm世代量産拡大で300mmウエハー需要急拡大 |
| 2008- | :金融危機(リーマンショック)で半導体需要急減、シリコン業界も大きな調整局面へ |
| 2011: | 東日本大震災で日本の材料・部材供給の重要性が世界的に再認識される |
| 2016: | 中国半導体シリコンウエハーメーカーESWIN, NSIG設立 |
| 2017- | 半導体好況、ウエハー長期契約や能力確保の動きが強まる |
| 2018- | 2019:米中摩擦顕在化、シリコン業界も地政学・供給網分断リスクが意識され始める |
| 2019- | 先端品では日本メーカー優位が続くも、中国勢の育成進行し成熟品では競争環境が変化し始める |
| 2021- | 世界的な半導体不足で、ウエハー業界でも能力増強投資が進む |
| 2023: | 中国政府のウエハー生産への国家的支援強化へ |
| 2023: | コロナ禍収束、半導体在庫調整が本格化、シリコンウエハー需要が鈍化 |
| 2024: | 年後半からAI・データセンタ(DC)用途が牽引役となり、緩やかに回復が始まる |
| 2025: | AI向け先端300mm需要は強く、成熟品は弱い二極化が継続 |
| 2026: | AI関連需要の一層の高まりとDC省電力化要求からパワー系デバイス需要増、200mm以下ウエハーの要求改善へ |
| 2026: | アメリカのイラン侵攻、石油由来製品、ヘリウム等の供給不安⇒シリコン業界への間接的影響懸念 |
| 1954: | 東海電極、東北大学の小野教授の研究成果を引き継ぎ、通産の補助金を受けて1960年頃より設備化、本格操業(1961) |
| 1957: | 信越化学、NECから高純度シリコン製造の要請を受ける |
| 1959: | 日窒電子化学、野田工場で製造開始(ソニーから話があり研究スタート) |
| 1959: | 日本電子金属、ペシネ技術導入でポリエ工場建設(1960) |
| 1960: | 小松製作所、石塚氏のシリコン技術で小松電子金属設立 |
| 1967: | 信越化学、ダウコーニングと合弁で、信越半導体を設立 |
| 1967: | 高純度シリコン設立 |
| 1970: | 三菱モンサント化成、日本国内に参入(サントミラー) |
| 1973: | 九州小松電子、九州電子金属、信越マレーシア |
| 1974: | 三菱金属、チッソ電子化学を買収し、東洋シリコンを設立 |
| 1977: | 東芝セラミックス、操業開始 |
| 1978: | 東洋シリコン、日本電子金属を合併し、日本シリコンを設立 |
| 1985: | 新日本製鉄がシリコン事業に参入し、子会社としてニッテツ電子を設立 |
| 1991: | 日本シリコン、三菱マテリアルシリコンに社名変更 |
| 1993: | 大阪チタニウム、住友シチックスに社名変更 |
| 1996: | シリコン業界協力し、次世代シリコン製造技術の確立のためのSSiを設立(〜2001) |
| 1997: | 高純度シリコン、三菱マテリアルポリシリコンに社名変更 |
| 1999: | 300mm事業化でSUMCO設立 |
| 2003: | 日本のシリコンメーカーが市場の65%を占める |
| 2003: | 新日本製鉄がシリコン事業から撤退。ニッテツ電子はワッカー社へ売却されシルトロニック・ジャパンに社名変更 |
| 2006: | コマツ電子金属のSUMCOの完全子会社化 |
| 2007: | 三菱マテリアル、三菱マテリアルポリシリコンを吸収合併 |
| 2007: | 東芝セラミックス、MBOにより東芝グループより独立しコバレントマテリアル発足 |
| 2010: | コバレントマテリアルのシリコンウェーハ部門をコバレントシリコンとして分社化 |
| 2012: | シルトロニック・ジャパン国内工場閉鎖。シリコンウェーハの輸入・販売を中心とした事業体制へ |
| 2012: | コバレントシリコンが台湾のSino-American Silicon Productsグループへ事業譲渡 |
| 2013: | コバレントシリコンがグローバルウェーハズ・ジャパンに社名変更 |
| 2017: | エム・イー・エム・シーがグローバルウェーハズ・ジャパンの関係会社へ |
| 2018: | 大阪チタニウムテクノロジーズ、ポリシリコン製造を終了 |
| 2023: | 三菱マテリアルが多結晶シリコン事業を分割し、同社が設立した高純度シリコンに承継させた上でSUMCOに譲渡 |
| 2024: | トクヤマ、ベトナムに進出 |
| 2025: | 信越半導体親会社の信越化学工業による三益半導体工業完全子会社化 |
| 2025: | トクヤマ、OCIテラサス社と合弁でマレーシアに進出 |
| 2026: | 日本のシリコンメーカーが市場の50%以上を占めるも中国メーカーシェア拡大(推定シェア10~20%) |