コンデンサ向けについて、2024年のタンタルコンデンサ国内生産は7.7億個であり前年の7.2億個に対して+7%であった。2024年上半期は3.3億個、下半期は4.3億個で、上半期は前年同期の4.1億個に対し▲20%、下半期は前年同期の3.1億個に対し+39%となった。コンデンサ用タンタル粉やタンタル...
コンデンサ向けについて、2024年のタンタルコンデンサ国内生産は7.7億個であり前年の7.2億個に対して+7%であった。2024年上半期は3.3億個、下半期は4.3億個で、上半期は前年同期の4.1億個に対し▲20%、下半期は前年同期の3.1億個に対し+39%となった。コンデンサ用タンタル粉やタンタルワイヤの消費量についてもタンタルコンデンサ国内生産数量に比例して2024年下半期には大きく回復したものと推定される。
化合物については、世界的な政情不安やインフレによる消費者支出の抑制、スマートフォンの買い替えサイクルの伸長などの影響を受け、2022年、2023年とスマートフォン市場は低調に推移したが、2024年はようやく回復を見せた。これに伴いSAWフィルタ向け高純度酸化タンタルの需要も一定程度回復したと推定される。また光学レンズ向けなどは、依然として需要は弱い状況が続いていると見られる。一方、主に超硬工具などに使用される炭化タンタルについては、自動車生産が回復基調ではあるものの、サプライチェーンがもつ在庫の調整が長引く形で低調に推移したと見られる。
薄膜材料向けタンタル材について、WSTSの2024年秋季半導体市場予測によると、2023年の世界半導体市場は世界的インフレやそれに伴う利上げ、地政学的リスクの高まりなどが個人消費や企業の設備投資に影響し、AI関連・自動車用途を除き低調となった結果、対前年比▲8.2%となった。2024年は対前年比+19%と再拡大の予測となっているが、2024年春季市場予測時には+16%であったことから半導体市場は半年前の予測より好転している。タンタル材の消費についても、半導体市場の成長とリンクする形で増減していくものと推定される。
1.輸出入統計
(1)2024年下期の輸出
タンタルコンデンサの輸出は3.59億個であり、前年同期の2.64億個対比で+36%と大幅に増加した。タンタル粉末(塊含む)の輸出は74トンであり、前年同期の50トン対比で+48%と大幅に増加した。その他タンタル製品の輸出は3トンであり、前年同期の2トン対比で+50%と大幅に増加した。
(2)2024年下期の輸入
タンタルコンデンサの輸入は1.53億個であり、前年同期の0.72億個対比で+125%と倍以上の増加となった。タンタル粉末(塊含む)の輸入は36トンであり、前年同期の29トン対比+24%と大幅に増加した。その他タンタル製品の輸入は15トンであり、前年同期の14トン対比で+7%と増加となった。
2.タンタルコンデンサ市場
前述の通り、経済産業省の統計によると2023年に7.2億個であったタンタルコンデンサ国内生産数量は、2024年は7.7億個となり対前年比+7%と増加した。固定コンデンサ全体の比較では、2023年通期で1兆143億個(うち上半期4,385億個、下半期5,758億個)であった国内生産量が、2024年には1兆877億個(うち上半期5,170億個、下半期5,707億個)となり対前年比+7%となり、固定コンデンサ全体でも増加となった。
3.タンタル化合物市場
酸化タンタルは主にデジタルカメラなどに使われる光学レンズと、携帯電話・スマートフォンに搭載されるSAW(弾性表面波)フィルタ用LT単結晶に、また炭化タンタルは主に超硬工具に使用される。スマートフォン市場は過去2年間の低調期を脱し、2024年に世界出荷台数は12億台を超え、タンタル酸リチウム(LT)単結晶向けの需要もこれに伴い増加、推移したとみられる。また、超硬工具用炭化タンタルの推定消費量は、2024年7月~12月5.0トンであり、前年同期の5.2トンと比べ4%の減少となった。自動車生産は回復を見せる中、サプライチェーンに滞留する在庫の影響により各メーカーは生産調整局面で推移したと推定される。
・タンタル需要実績の集計を行い、公表しました。また、タンタル業界共通課題の検討を行うとともに、タンタル資源動向について議論しました。 ・コンゴ民主共和国とその周辺地域で産出する4種の鉱物(すず、タンタル、タングステン、金)の使用状況に関し、米国金融規制改革法で報告・開示が義務付けられるとともに、...
・タンタル需要実績の集計を行い、公表しました。また、タンタル業界共通課題の検討を行うとともに、タンタル資源動向について議論しました。
・コンゴ民主共和国とその周辺地域で産出する4種の鉱物(すず、タンタル、タングステン、金)の使用状況に関し、米国金融規制改革法で報告・開示が義務付けられるとともに、新たに欧州委員会が体制整備の検討を行っていることに関して、経済産業省関係課、関係団体から情報を入手しました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に当たり、新規対象業種として統計類の整備、解析、ハザードの抽出、安全対策等に関する調査・提言を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。