一般社団法人新金属協会

タンタル部会

業界業況

コンデンサ向けについて、2025年のタンタルコンデンサ国内生産は8.62億個であり前年の7.65億個に対して+13%であった。2025年上半期は4.35億個、下半期は4.27億個で、上半期は前年同期の3.33億個に対し+31%、下半期は前年同期の4.31億個に対しほぼ横這いとなった。2024年下半期...

業界業況

コンデンサ向けについて、2025年のタンタルコンデンサ国内生産は8.62億個であり前年の7.65億個に対して+13%であった。2025年上半期は4.35億個、下半期は4.27億個で、上半期は前年同期の3.33億個に対し+31%、下半期は前年同期の4.31億個に対しほぼ横這いとなった。2024年下半期の好調な生産が2025年末まで続いており、コンデンサ用タンタル粉やタンタルワイヤの消費量についてもタンタルコンデンサ国内生産数量に比例して堅調に推移したものと推定される。

2025年のスマートフォン市場は、ハイエンド機種を中心に堅調に推移したとみられる。それに伴い、通信デバイス向け材料にも一定のプラス要因となると期待されていたが、SAWフィルタ向け高純度酸化タンタルの需要については限定的な回復に留まったと推定される。

サプライチェーンでは在庫調整が進み、一定量の在庫が市場に払い出されたものの、メーカーへの実需としては慎重な姿勢が続き、高純度酸化タンタルの需要は本格的な回復局面には至らなかった模様。また、光学レンズ向けなどは依然として需要は弱い状況が続いていると見られる。主に超硬工具などに使用される炭化タンタルの需要については、自動車向け需要の減速を受け低調に推移したと推定される。

薄膜材料向けタンタル材について、WSTSの2025年秋季半導体市場予測によると、2024年の世界半導体市場は前年比+19.7%であった。AI需要を見越したデータセンター投資に連動する形でメモリー製品やGPUなどのロジック製品が半導体市場の成長を牽引した反面、AI関連以外の領域では自動車用途も含めて低調に終わった。2025年は対前年比+22.5%と成長が加速する予測となっている。大手IT企業等によるデータセンター投資が勢いを増しており、この恩恵を強く受けるメモリー製品やロジック製品に関しては特に高成長が予測されている。データセンター以外ではAI機能を搭載したスマートフォンやパソコン等、エッジAIと呼ばれる領域も成長に寄与すると予測され、関税影響の顕在化やその他地政学的リスクによる不透明感がある反面、各国政府による支援策などが最終需要を下支えしていることもあり、その他の用途についても緩やかな回復が予測されている。タンタル材の消費についても、半導体市場の成長とリンクする形で増加していくものと推定される。

1.輸出入統計

(1)2025年下期の輸出

タンタルコンデンサの輸出は3.77億個であり、前年同期の3.59億個対比で+5%となった。タンタル粉末(塊含む)の輸出は87トンであり、前年同期の74トン対比で+18%と大幅に増加した。その他タンタル製品の輸出は3トンであり、前年同期の3トン対比で横ばいとなった。

(2)2025年下期の輸入

タンタルコンデンサの輸入は2.08億個であり、前年同期の1.53億個対比で+36%と大幅に増加した。タンタル粉末(塊含む)の輸入は53トンであり、前年同期の36トン対比+47%と大幅に増加した。その他タンタル製品の輸入は11トンであり、前年同期の15トン対比で▲27%と減少した。

2.タンタルコンデンサ市場

前述の通り、経済産業省の統計によると2024年に7.65億個であったタンタルコンデンサ国内生産数量は、2025年は8.62億個となり対前年比+13%と増加した。固定コンデンサ全体の比較では、2024年通期で1兆877億個(うち上半期5,170億個、下半期5,707億個)であった国内生産量が、2025年には1兆997億個(うち上半期5,112億個、下半期5,885億個)となり対前年比+1%となり、固定コンデンサ全体でも増加となった。

 

3.タンタル化合物市場

酸化タンタルは主にデジタルカメラなどに使われる光学レンズと、携帯電話・スマートフォンに搭載されるSAW(弾性表面波)フィルタ用LT単結晶に、また炭化タンタルは主に超硬工具に使用される。2025年のスマートフォンの世界出荷台数は約12億6,000万台と前年比で1.9%の成長で留まった。タンタル酸リチウム(LT)単結晶向けの需要は、市場の在庫払い出しは一定量進んだものの、本格回復には至らなかったと推定する。また、超硬工具用炭化タンタルの推定消費量は、2025年1月~12月で約10.4トンであり、前年の約11.1トンと比べ約6%の減少となった。自動車向け需要の低迷が影響したと推定される。

活動概要

・タンタル需要実績の集計を行い、公表しました。また、タンタル業界共通課題の検討を行うとともに、タンタル資源動向について議論しました。 ・コンゴ民主共和国とその周辺地域で産出する4種の鉱物(すず、タンタル、タングステン、金)の使用状況に関し、米国金融規制改革法で報告・開示が義務付けられるとともに、...

活動概要

・タンタル需要実績の集計を行い、公表しました。また、タンタル業界共通課題の検討を行うとともに、タンタル資源動向について議論しました。
・コンゴ民主共和国とその周辺地域で産出する4種の鉱物(すず、タンタル、タングステン、金)の使用状況に関し、米国金融規制改革法で報告・開示が義務付けられるとともに、新たに欧州委員会が体制整備の検討を行っていることに関して、経済産業省関係課、関係団体から情報を入手しました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に当たり、新規対象業種として統計類の整備、解析、ハザードの抽出、安全対策等に関する調査・提言を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。

年表

1950年代
タンタルの供給は米KBI、米ノルトン、米ファンスチール、独HCSTからの輸入品主用途はコンデンサ、研削材添加物用化合物、耐食材料
新金属としてのタンタルの国産化要求強まる
1970年代
タンタルの輸入関税は、フッカタンタルは無税、粉末・加工品は8%に
タンタルコンデンサ需要急増、主製品はディップタイプ
1975年代
国内コンデンサメーカーは9社
タンタル鉱石価格$100/Ib超える
粉末は輸入品が数十万円/kgへ
世界的なタンタル鉱石埋蔵量に不安走る
1980年代
タンタルコンデンサ需要急増
NECの奥田事業部長がCV3万の粉末要請
コンデンサ、チップ化進むより小型化、表面実装実用化へ
1985年代
世界最小のタンタルコンデンサを日本が索引
日本、世界へ超高CV粉末を発信
ソニー、ウオークマン販売
コンデンサ数十個使用
カメラ一体型ビデオ販売
コンデンサ数十個使用
1986:TIC総会(神戸)
1990年代
PCのノートブック化進む
NEC,タイにタンタルコンデンサ工場進出、生産開始
1995年代
機能性高分子コンデンサの普及
タンタルコンデンサ需要立ち上がる
携帯電話普及(コンデンサ多数使用)
1994:TIC総会(会津)
2000年代
2001:ITバブル崩壊
タンタルコンデンサ需要急落
DSC、iPodの普及
タンタル鉱石高騰、一時$300/Ib台へ
2002:TIC総会(京都)
タンタルコンデンサメーカーの海外進出、離散集合
国内コンデンサメーカーは6社へ
1955年代
タンタル国際化に向けて各社が事業化開始
粉末CV1千/g
1965年代
粉末CV3千/g
1970年代
国内タンタルメーカーは増設・増産へ(国内需要:165トン過去最高)タンタル鉱石、原料不足が深刻化
1975年代
粉末CV6千/g
1980年代
タンタルの需要急落に伴い国内各社は事業存続に試練
1985年代
粉末CV3.4万/g
液晶、半導体向けターゲット材伸びる
中国メーカーがタンタルメーカーに参入
1990年代
粉末CV5万/g
携帯電話向けSAWフィルター用タンタル酸リチウム急増
タンタル需要急増国内メーカー増設・増産へ
1995年代
粉末CV7万/g
タンタルのリサイクル化進む
2000年代
粉末CV10万/g
2000:国内タンタル需要500t台へ
粉末CV15万/g
2001:タンタル需要急落、再び材料の将来不安走る
豪グワリア社、鉱石埋蔵量数十年分可を発表
より安定した原料確保対策と高付加価値製品への特化
1955年代
1958:小松製作所、昭和電工、通産省がニオブ、タンタルの製造研究に補助金交付
1958:太陽金属工業、炭化タンタル(TaC)の生産開始
1960年代
1960:小松製作所、昭和電工、信越化学、日本曹達、タンタル粉末生産開始
1960:神戸製鋼所、東京電解、それぞれアーク溶解法、EB溶解法による生産開始
1960:日本真空技術(後の真空治金)、EB溶解実用化研究開始
1960:高純度物質研究所がタンタル陽極素子生産開始
1965年代
1961:東北金属工業、オーストリアPlanseeより粉末治金法の技術導入
1966:三井金属鉱業、炭化タンタル、酸化タンタル生産開始
1966:横沢化学、スクラップより酸化タンタル生産開始
1966:真空治金、タンタルワイヤ生産開始
1970年代
1972:昭和電工、米KBIと合弁で、昭和KBIを設立、原料の安定供給確保へ
1975年代
1976:信越化学、タンタル事業撤退
1980年代
1980〜82:国内メーカーの事業撤退進む
1982:国内メーカーは、昭和KBI(後の昭和キャボットスーパーメタル)、真空治金、三井金属鉱業、東京電解の4社へ
1984:ヴイテック設立、国内メーカーは5社体制へ
1985年代
東京電解、昭和キャボットスーパーメタル、ターゲット材へ進出
1988:ヴイテック、粉末の商業生産スタート
1990年代
1991:真空治金、武黒社長がTIC会長に就任
2000年代
2000:スタルクヴイテック、月産能力20トンへ
2001:昭和キャボットスーパーメタル、月産能力30トンへ
2002:昭和キャボットスーパーメタル、Cabot100%出資のキャボットスーパーメタルへ
2005:真空治金、アルバックマテリアルへ社名変更

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