一般社団法人新金属協会

ターゲット部会

業界業況

【半導体用ターゲット】 2025年の世界半導体市場は、生成AIの急速な普及とそれに伴うデータセンター投資の継続を主要な成長ドライバーとして、金額ベースでは前年比+25.6%の拡大となった。WSTS(世界半導体市場統計)の報告によれば、2025年の市場規模は過去最高を記録した2022年を上回り、再び活...

業界業況

【半導体用ターゲット】
2025年の世界半導体市場は、生成AIの急速な普及とそれに伴うデータセンター投資の継続を主要な成長ドライバーとして、金額ベースでは前年比+25.6%の拡大となった。WSTS(世界半導体市場統計)の報告によれば、2025年の市場規模は過去最高を記録した2022年を上回り、再び活況に向かう一年となった。

製品別では、AIサーバーや高性能コンピューティング(HPC)向けのロジック半導体に加え、HBM(高帯域メモリ)を中心としたメモリ製品が市場を牽引した。特に、AIインフラ投資の加速が先端ロジックおよびメモリ需要を押し上げ、それに対応する形でファウンドリ各社およびメモリ各社は先端プロセスの量産体制強化を進めた。また、スマートフォンやPC市場では、Windows 10のサービス終了に伴う買い替え需要やAI機能を搭載した次世代端末の普及が追い風となり、出荷台数の回復につながった。但し、車載関係は市況の落ち込みが継続するなど、まだら模様な回復状況は継続している。半導体用ターゲット材も市場の成長トレンドと連動して堅調に拡大し、AI・データセンター関連需要の増大を背景に、その需要は一層高まった。

また、米中摩擦の長期化、インフレ動向、地政学的リスク、原材料価格の高騰などにより外部環境の不確実性も依然として大きく、特に先端半導体製造に必要な素材・装置の供給網が一部地域に集中していることから、サプライチェーンの分断リスクも引き続き懸念された。

【HDD(ハードディスクドライブ)用ターゲット】

各調査機関によると、HDDの年間総生産台数は、2025年の1億2,954万台(前年比+3.8%)から、2026年には1億2,400万台(▲4.3%)へと微減する見通しである。ノート・デスクトップPC向けや外付けHDDといった2.5インチ/3.5インチ需要の継続的な縮小が主因となり、HDD全体の生産台数は緩やかな減少基調が続くと予想されている。

HDD用ターゲット需要の中心であるデータセンター向けニアラインHDDの生産台数(全体の5-6割程度)は、2025年の7,477万台(前年比+18.5%)から2026年には7,750万台(同+3.7%) へと増加が見込まれている。データセンター向け投資は依然として底堅く、2026年分のHDD生産枠が完売と明かすメーカーもあるなど、主要各社はフル生産体制を維持する見通しである。

一方、サプライチェーン上の各ポイントにおける供給制約がHDD生産の律速要因となっており、ニアラインHDDの生産台数は需要の強さに比して大きく伸びにくい状況が続く。各社は高容量モデルへのシフト、製造プロセスの効率化、生産性向上などの取り組みを通じ、増加するデータ需要に対応している。

【FPD用ターゲット】

2025年のTV用パネル出荷は、台数ベースでは僅かな伸びにとどまり、2018~2019年のピーク時と比較すると約15%減少している。一方で、TVパネルの大型化傾向は継続しており、現在は55インチ超が主流となりつつあることから、面積ベースでは年率2~3%程度の成長が今後も続く見通しである。

パネル生産の中国メーカーへの寡占化については、同国メーカーの生産ラインにおける減価償却が進展していることから、今後さらに加速するとみられる。中国パネルメーカーは、パネル価格の変動に応じて生産量を積極的に調整し、市場コントロールを行っている。しかしながら、需要は底堅いものの旺盛とは言い難く、その結果、短期的な需給調整が繰り返される市場環境が続いている。

中小型パネルについては、スマートフォン向け需要は大きな成長が見られないものの、LTPS方式LCDから有機EL(OLED)への転換は引き続き進行している。ただし、a-Si方式LCDはコストパフォーマンスの観点から底堅い需要が見込まれており、今後はOLEDと併存する形で市場を形成していくと考えられる。OLEDにおいても、リジットタイプからフレキシブルタイプへ、またLTPS方式からLTPO方式へと技術の移行が進んでおり、将来的にはフレキシブルLTPO方式OLEDが主流になる見込みである。

スマートフォンの新機軸として注目されていたフォルダブル端末は、2025年において販売が減少する結果となったが、今後投入が予定されているフォルダブルタイプのiPhoneには一定の期待が寄せられる。

ノートPC向けパネルについては、半導体不足の影響回避を目的とした在庫需要もあり、2025年は前年を上回った。一方、2026年は再び半導体不足の影響を受け、市場が落ち込む可能性がある。

2025年の透明導電膜用ITOターゲット需要は、特に上期において、中国の景気刺激策や米国の関税政策に対する不透明感を背景とした在庫積み増しの動きにより堅調に推移した。下期には中国メーカーによる積極的な生産調整が見られたものの、その影響は限定的であり、年間では前年並みの水準となった。

ITOの主原料であるインジウム価格は、年初において1kg当たり390ドル前後の高値水準で推移し、春先には一時的に400ドル/kgを超える場面も見られた。その後は下落し、年間を通じて大きな変動はなかった。しかしながら、2026年は金属相場全体の上昇を背景に、投機マネーの流入による強い上昇圧力を受けている。加えて、中国による鉱物輸出規制の影響も、今後の懸念材料となっている。

活動概要

・協会会員外のターゲットメーカーにも広く調査協力を呼びかけ、ターゲットの市場規模調査を実施し、業界動向についての基礎資料の充実を図りました。 ・ITO等の取り扱い作業による健康障害防止策に関する技術指針や特定化学物質障害予防規則等の改正について、情報収集を行いました。 ・新金属産業災害防止対策安...

活動概要

・協会会員外のターゲットメーカーにも広く調査協力を呼びかけ、ターゲットの市場規模調査を実施し、業界動向についての基礎資料の充実を図りました。
・ITO等の取り扱い作業による健康障害防止策に関する技術指針や特定化学物質障害予防規則等の改正について、情報収集を行いました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に当たり、新規対象業種として統計類の整備、解析、ハザードの抽出、安全対策等に関する調査・提言を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。

年表

1955年代
1959:キルビー(IT)特許
1959:プレーナ特許
1960年代
1960:MOFET発明
1963:CMOSトランジスター
1966:AC型PDP発表
1970年代
1971:TN-LCD発表
1973:液晶時計、電卓発表
1977:最初のパソコン
1979:aSi-TFT発表
1980年代
1984:STN-LCD実用化
1986:松下電器、TFT生産開始
1987:コダック社、有機EL基本特許
1989:松下電器、TFT量産開始
1990年代
1993:PDPテレビ量産開始
1997:フルカラー有機ELディスプレイ発表
2000年代
LTPS量産技術の確立
1970年代
1970年代TN液晶:電卓、時計
1980年代
1980年代STN液晶:携帯情報機器
1983:ITOターゲット販売開始
1986:密度70%アップITO
1988:低重圧スパッタ法開発により、一挙にITOターゲットが普及
1989:密度85%アップITO
1990年代
1990年代aSi-TFT液晶:パーソナルコンピュータ
1991:密度90%アップITO
1994:密度95%アップITO
1998:密度98%アップITO
2000年代
2000年代aSi-TFT/LTPS、高温ポリSi TFT:TV、携帯電話、PDA
1950年代
1956:最初のHDD(IBM)
1960年代
1960:レーザーの発明(Meiman)
1970年代
1970:Hunt磁気抵抗効果型ヘッドの発明
1972:レーザーディスク発表(Philips)
1978:レーザーディスク発売(日米)
1979:コンパクトディスク(CD)開発
19800年代
1985:CD-ROM普及
1988:MOディスク発売3.5インチタイプ容量
1990年代
1990:DVD用半導体レーザー開発1990:追記型 CD-R発売
1991:GMRヘッド材料の提案
1992:MD発売(ソニー)
1995:DVD規格統一
1996:DVDプレーヤー発売
1997:書換型CD-RW発売
1998:書換型DVD発売(松下)
2000年代
2000:青色半導体レーザー開発
2000:MDLP発売(ソニー)
2002:高記録密度Blue-ray Disc HD DVD規格成立
2003:ブルーレイレコーダー発売(ソニー)
2004:Hi-MD発売(ソニー)

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